京都の幽霊マンション登場!「新耳袋 第六夜」最恐伝説の始まり
「新耳袋 第六夜」では怪談マニアだけでなく、一般人にも知られている京都の幽霊マンションに関する怪談が20話収録されています。
この本で紹介された心霊現象は、京都の幽霊マンションに住んだ太秦の映画撮影所の録音技師Sさんと一緒に同居していたNさんの2名が主に体験した話です。
ほとんどは、彼らが住んでいた8階の部屋で起こった心霊現象です。
マンション住民のみならず、遊びに来た人にまで、これでもかこれでもかと心霊現象がてんこ盛りに起きます。
★2017年2月追加情報
何と今「メタボ広沢」では入居者を募集しているようです!大変残念なことに2017年4月時点では募集を終了しています。
気長にチェックしていれば、いつか募集が再開されるかもしれません。
家賃も広さの割に安く、すぐそばにコンビニとスーパーがあって便利な立地です。
ちょうど京都で部屋を探していて、心霊体験をしたい人はぜひチェックしてみてください。
→ 詳しい情報はこちら
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京都の幽霊マンションの心霊現象まとめ
「新耳袋 第六夜」と「九十九怪談 第九夜」から、幽霊マンションで起こった心霊現象をざっとまとめてみました。
もっと詳しく知りたい人は「新耳袋 第六夜」と「九十九怪談 第九夜」を読んでください。
- SさんとNさんが住んでいた8階の部屋には、美人の幽霊「みさお」さんが出る
- 部屋には「みさお」さんだけでなく、帽子をかぶった作業服のおじさんの幽霊も出る
- 幽霊や心霊現象を馬鹿にする人が遊びに来ると、「みさお」さんと作業服のおじさんに手荒い歓迎を受ける
例)スーツを掛けようとするとハンガーが空中に飛ぶ
ビールをつごうとするとコップがテーブルを移動する
洗面所で顔を洗おうと鏡を見るとすぐ後ろに若い女が立つ - 室内の廊下が霊道になっていて、スーツ姿の人から鎧武者まで色々な人たちが通って行く
- テレビの取材などで「みさお」さんを見せ物にしようとすると、「みさお」さんが激怒し、取材に来られないようにする
- 不動明王をあがめる謎の白装束の集団がリビングに現れる
- 就寝中に身体が天井まで浮き上がり、その後床に叩きつけられる
- 就寝中何者かに引きずり回される(本人は気づかない)
- 夜寝ていると、真下の部屋に住んでいる危篤になったおじいさんが枕元に現れて「やりたいことがまだまだあるから死にたくない」と愚痴ってくる。
般若心経で追い払おうとしたら逆ギレされる。 - 昼間にも関わらず、ホラー映画「リング」を見ると奇妙な物音がしてコップが次々と割れる
- Sさんが一人で「リング」を見終わってエンドタイトルを見ていると、テレビに自分と自分の周りに15、6人の顔が映り込んでいた。
このときはさすがに3日ほどマンションに帰ることができなかった。 - このマンションとは全く無関係の観光客のおばさんが、引き寄せられて飛び降り自殺しようとする(九十九怪談 第九夜より)
この幽霊マンションについて中山市朗氏と北野誠氏が語っている動画があったので紹介します。
新耳袋のエピソードがさらに詳細に語られています。
中山市朗氏の怪談ライブで聞いた話(2005年前後の情報)
- マンションは飛び降り自殺の名所として有名
- マンションに無関係の人が引き寄せられて突発的に飛び降り自殺をする
- 霊感のある人は飛び降りをする影が見えたり、地面に人が激突する音が聞こえる
- 霊感のある人が外から見ると、マンションの廊下は幽霊で鈴なり状態
- 幽霊マンションの近くにある歩道橋のそばの民家も曰く付きの家と言われている。
そこに住んだ家族は、夜中に家族全員がパジャマ姿のまま外に飛び出すことが何度かあったが、近所の人が訳を聞いても絶対に理由を話さない。
そのうち引っ越して行ったが、次に入った家族も同じで、ついに誰もそこに住まなくなった。
京都の幽霊マンション=メタボ広沢
「新耳袋 第六夜」の単行本が出版された2001年頃は、幽霊マンションもごく一部の人にしか知られていませんでした。
「新耳袋」に取り上げられたせいか、今では『京都 幽霊マンション』で検索するとすぐに出てきます。
京都の幽霊マンションの名前は「メタボ広沢」。
名前の「メタボ」は建築用語の「メタボリズム」からの引用と思われます。
メタボリズムとは
建築・都市計画の用語。
1960年の世界デザイン会議のために結成されたグループ (川添登、菊竹清訓、槇文彦、黒川紀章、大高正人ほか) とその設計理論、都市理論をいう。
メタボリズムとは本来生物学で新陳代謝の意で、彼らは永久不滅な建築を否定し、また近代建築の固定的な機能主義を批判して、建築とそれによって構成される都市はダイナミックに変化するべきであると主張した。(引用:コトバンク)
決して太った広沢さんではありません(笑)。
この幽霊マンション「メタボ広沢」についての怪談は、木原浩勝氏の「九十九怪談 第九夜」に新たに「続・京都の幽霊マンション」として4話追加されています。
あの人の名前もサジェスト検索に汚染されていた
「新耳袋」では、この幽霊マンションに出る美女の名前はうかつに言ってはいけないと書かれいます。
著者の中山市朗氏が専門学校の講師をしているとき、生徒たちに幽霊マンションの怪談をして、美女の名前を言ったとたんに肩が重くなって動けなくなってしまったそうです。
その美女の名前は「みさお」さん。
マンションの持ち主の娘さんで、二十歳前後のとてもきれいな女性だったそうです。
最上階の8階の一室を親からもらって住んでいましたが、何があったのか、マンションから飛び降り自殺をしたそうです。
「新耳袋 第六夜」で紹介される「みさお」さんは、住民だけでなく遊びに来たゲストにまで積極的に自己紹介やアピールをして、かなり自己主張の激しい幽霊です。
『京都 幽霊マンション』で検索すると検索候補の2番目に『京都 幽霊マンション みさお』と思いっきり出てきます…。
Googleによって「みさお」さんの名前は今や全世界に拡散されています。
うかつに言ってはいけないどころか、名前が拡散されまくりの「みさお」さん。
いくら強力な幽霊の「みさお」さんでも、怪談を読んだりウワサを聞いた全ての人のところに行くのは大変なんじゃないかなー。と私はどうでもいい心配をしています。
幽霊マンションに関する注意
この有名な幽霊マンションに一度遊びに行ってみようと思う人もいるでしょう。
外からマンションを眺めるだけなら大丈夫ですが、中に入るのは厳禁です。
言うまでもなく不法侵入なりますが、それとは別に今は物理的な危険があります。
これは中山市朗氏のDarkNight(ダークナイト)vol.19(2016/8/27)で聞いた話です。
お笑い芸人のガリガリガリクソンが「メタボ広沢」に入居しようとしたことがあった。
しかし家主と連絡がつかず、入居することはできなかった。とりあえず、何かのネタがほしい!ということで、ガリガリガリクソンは「メタボ広沢」に行き、一番霊現象が起きるという8階までエレベーターで上がった。
8階でエレベーターを降りると、そこにはバットを構えたおじさんが待ち構えていて、「帰れ!」と恐ろしい形相でガリガリガリクソンを怒鳴りつけた。
ガリガリガリクソンは慌てて逃げ帰ったらしい。
以前から飛び降りや不法侵入が多いので怖いおじさんが用心棒として雇われたようです。
※2016年8月時点の情報
「新耳袋 第六夜」の感想
幽霊マンションの話がインパクトがあり過ぎるせいか他の話が薄口に感じてしまいました。
その中でも小粒でキラリと光る話もあります。
すごく怖い話は、幽霊マンションに譲ってしまったせいか「第六夜」の中では少なくなってしまった印象です。
- 第一章 守にまつわる十二の話
- 第二章 来にまつわる十六の話
- 第三章 音にまつわる七つの話
- 第四章 話にまつわる四つの話
- 第五章 現にまつわる一六の話
- 第六章 視にまつわる十一の話
- 第七章 異にまつわる四つの話
- 第八章 妖にまつわる九つの話
- 第九章 居にまつわる二十の話
「新耳袋 第六夜」ハイライト
面白い話
第七十一話 キュウリ
Wさんの仕事は看板の設置作業だ。
ある夏、4人の作業員たちとある川沿いに仕事で行った。
お昼になり、お弁当を食べる場所を探していると、上流からザッパーン!と大きな音がした。
Wさんたちが水音のしたあたりに行ってみると、あたり一面青臭いにおいがたちこめている。
草むらを踏み広げたところに、採れたてのみずみずしいキュウリが80センチほど積まれていた。
すべて真ん中から噛り折られてある。
水音のした場所は山奥で、自分たち以外の人の姿はなかった。
また、これだけのキュウリを運ぶ手段もない。
誰かが「河童か……?」とつぶやくと一気に怖くなり、その日はそのまま帰り、翌日改めて看板の設置を行った。
やっぱり河童はキュウリが好物なんですね。
山ほど大量にキュウリを盗むなんて悪い河童ですね!
人の気配がしたからキュウリパーティーを中断したのでしょうか?
最恐話ベスト3
第十四話 訪問者
Tさん一家が東村山市のマンションに引っ越した。
引っ越して間もない昼間、奥さんが一人で部屋にいるとチャイムが鳴った。
覗き穴から見ても誰もいない。これが何回か繰り返される。
玄関口が見える部屋からそっと外を見ると、人の形をした真っ赤なものが立っている。
それが繰り返しチャイムを鳴らしている。
そして、真っ赤なものは体をくの字に曲げて、玄関ドアの上の採光ガラスに真っ赤な顔と張り付けて家の中を覗こうとした。
恐ろしさのあまり、奥さんは部屋の中でじっとしていた。
しばらくして子供が帰宅したが、玄関の外には何もいなかったという。
数日後、Tさん一家は友人夫婦を引っ越し祝いに招いた。
しかし何故かご主人だけしか来ない。奥さんは慌てて帰ってしまったらしい。
奥さんに電話すると「大きな赤い人が、身体をくの字に曲げて中を覗きこんでるのが見えたから怖くて帰った」と言われた。
この赤い来訪者は「第七夜」の第四十四話と第四十五話にも登場します。
意外とメジャーな妖怪(?)かもしれません。
いつか、あなたの元にも来るかもしれませんね。
第二十四話 電車ごっこ
Nさんという女性が幼いころに体験した話。
夕方、近所の公園でひとり遊んでいると、同じ年頃の兄弟と電車ごっこをして遊ぶことになった。
しかし公園をぐるぐる走り回るだけで楽しくない。
Nさんが「つまらないから帰る」と言うと兄弟は自分たちの家で遊ぼうと言った。
兄弟の家は公園の近くにある社宅で、また家の中で電車ごっこをした。
でも同じことをするだけで、やっぱりつまらない。
退屈したNさんが帰ろうとすると、兄弟は「ずっと一緒にいようよ」とNさんを引き止めたが、Nさんは構わず帰った。
Nさんが家に帰って、このことをおばあさんに話すと「その家にはそんな子供はいない」と言う。
その社宅に住んでいるおばさんとNさんのおばあさんは知り合いだった。
翌日、おばあさんとNさんは一緒にその社宅に行った。
おばあさんがおばさんと世間話をしたついでにNさんの話を伝えると、おばさんは昨日はずっと家にいたのでそんなはずはないと言う。
Nさんが昨日見た部屋の様子を詳しく話すと「それ、うちやね……」とその人の顔色が変わった。
電車ごっこが好きな謎の兄弟。
「ずっと一緒にいようよ」と引き止められて一緒にいたらどうなったのでしょうか?
第四十七話 うしろを向かないで
都内のあるスタジオでの出来事。
当時アイドル歌手だったSさんが新曲をレコーディングしていた。
レコーディング中にも関わらず、唐突にヘッドホンから聞こえる音楽が止まった。
譜面から顔を上げると、ブース内のスタッフが全員立ち上がって自分を見ている。
「途中ですが中から出てきてください。それから後ろを振り向かないでください。」
と言われ、言われるままにSさんはヘッドホンを外してドアを開けた。
なぜかそのままスタジオの電源まで落とし、スタッフ全員一緒になってスタジオを出た。
後日別のスタジオで再録音が終了した時、Sさんははじめてその理由を知らされた。
Sさんの後ろの大きなスピーカーから、わらわらと両手を伸ばした上半身裸の女が少しずつ出てきていたのだという。
その場に居合わせた全員がそれを見て、ブースの中は騒然となった。
助け出したいが、これを見たらSさんは身体が動かなくなる。
そう考えて「後ろを振り向かないで」と誘導したのだという。
怖すぎる!!でもちょっと見てみたい!
この後、スピーカーから全身を出しきった女性はどうしたのでしょうか?
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