UFO怪談「山の牧場」が登場!「新耳袋 第四夜」
みなさんは“UFO”と聞いて何を思い浮かべますか?
焼きソバ、矢追純一、SF映画のMIB、Xファイル…。
たまにUFOを見た!という人が身近にいたりするぐらいでしょうか。
みなさんは、UFOや宇宙人が怖いなんて思ったことありませんよね?
「第四夜」に収録されている「黒い男たち」の話はそんなイメージを吹き飛ばす恐ろしさです。
これを読んでから、私は矢追純一を笑えなくなりました…。
UFOとかアホらしいと思う人は是非読んでみてください。価値観が変わりますよ…。
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ついに登場!UFO怪談「山の牧場」
「新耳袋 第四夜」には怪談マニアには有名な「山の牧場」が収録されています。
「山の牧場」は「新耳袋」の中でも一番怖いとも言われています。
「山の牧場」は、著者の中山市朗氏が大学生時代に目撃した「牧場のようなもの」についてそのまま記しただけの怪談です。
言いようのない不可解なものばかりを目撃し、身の危険を感じて「山の牧場」を写真や映像に残さずそこを去ります。
UFOや宇宙人に関連した、得体のしれないものを感じる不気味な話です。
「山の牧場」の現在
「山の牧場」の話を聞いた人は実際に行ってみたくなるかもしれません。
でも、残念ながらそれは無理なようです。
つい最近(2016年7月)中山市朗氏が「山の牧場」について言及していました。
中山市朗氏が初めて「山の牧場」を発見してから30年以上の年月が経ち、全てが変わってしまって当時の面影はなくなっています。
また、牧場までの道は草で完全に塞がれて、行けなくなっているそうです。
「山の牧場」やMIB関連の動画
中山市朗氏が「山の牧場」やMIBについて語っている動画があったので紹介します。
「新耳袋 第四夜」の感想
「第四夜」はどうしても「山の牧場」とUFO関係の話の印象が強いですが、他にも舞台や映像に関する怪談、植物に関する怪談などがあり、バラエティ豊かで怪談好きは楽しめます。
また、他の巻に比べて、怖めの話が多いです。
「新耳袋 第四夜」ハイライト
「第四夜」の中から、面白い話・怖い話を紹介します。
面白い話
第六十三話 竹の階段
著者の友人が小学生の時の体験。
学校の通学路にずっと竹藪が続く道があった。
ある日、彼が一人で帰っていると竹藪に見慣れないものがあった。
竹が密集している中にぽっかり四角い穴が開いている。
その空間には、竹でできた長い階段が上に向かって続いている。
それは天にまで続いているようで、その先は闇の中に見えなくなっている。
この階段はどこに行くのだろう?と、彼は好奇心に駆られて足をかけると、ギイィィィと竹がきしむ。
行く手を見るとやはり果てしなく続く真っ暗な階段。
怖くなったので、近くに来た友達と一緒に上ろうと思い、階段を下りた。
友達を連れて戻ってみると、さっきまであったはずの階段はなくなっていた。
竹の階段は一体どこに続くのか、ロマンがかき立てられますね!
理由もなく突然失踪してしまった人は、意外とこういう所に入りこんでしまったのかもしれませんね。
最恐話ベスト3
第五十六話 昨夜の子
Fさんたちが通称“軍人病院”と呼ばれる廃病院に肝だめしに行った。
11人で車に分乗して深夜に着くと、正面玄関前に他のグループもたむろしていた。
Fさんたちは病院の中に踏み込んだが、恐ろしい目に遭い、各自バラバラに逃げ帰った。
Fさんはこの時、Nさんという友達の車で家まで送ってもらった。
その日の夕方、再びみんなで集まって昨夜の話をした。
するとNさんが、病院の前にいた他のグループの女の子を口説いて一緒に病院の中を探検したと言い出した。
Fさんを家に送ったあと、彼女とふたりでホテルに行ったという。
しかしFさんを始め、他のメンバーはそんな子を見ていない。
するとNさんの顔が真っ青になった。実はホテルで妙なことがあったという。
みんなが何があったのか尋ねたが、Nさんは口をつぐんだ。
未だにNさんは何があったのか口を閉ざしたままだという。
Nさんに何があったのか、絶対に言わないのが余計に気になりますね。
“軍人病院”と呼ばれた廃墟について調べてみましたが、その場所は今は取り壊されていて何もないようです。
第七十五話 浴槽の中
都内のハウススタジオにビデオの撮影隊が入った。
その撮影には、大量の血のりが必要になるので、スタジオを汚さないよう美術さんが一人、バスルームの浴槽の中で血のりの入った小袋を作っていた。
そこに主演俳優のマネージャーのEさんが、美術さんにねぎらいの声を掛けようとバスルームを覗いた。
「あちゃーっ」とEさんは思わず声を出した。
「どうしたんですか?」と美術さんに聞かれたが、あまりにも気持ち悪いものが見えたので、Eさんはたまらず外に出た。
美術さんが入っている浴槽の中に人がうごめいていた。
何人いたのか覚えていないが、年取った男性が浴槽の縁に手をかけてこちらを見ていた。
その人たちは透けていて、後ろで作業をしている美術さんが見えていた。
霊がぎっちり入った浴槽を想像してみたら本当に気持ち悪いです。
こういう撮影スタジオは、結構怪奇現象が起こると聞いたことがあります。
第八十七話 黒い男たち その一
著者が中学生の時ある転校生から聞いた奇妙な話。
その友人がいた学校に、UFOが3度の飯よりも好きというT君という男の子がいた。
ある日、T君がUFOの決定的な写真を撮ったらしくとてもはしゃいでいる。
ところが次の日からT君は行方不明になった。
それ以降未だにT君は行方不明のままだという。
その友人はT君と親しかったので、一度お母さんと話をした。
T君が行方不明になる直前、玄関先に2人組の男が訪ねてきたという。
2人共2メートルあるかという長身、黒いソフト帽に黒いコート、黒いズボン、サングラスと全身黒ずくめ。
T君が不在だと聞かされると、黒ずくめの二人は勝手にズカズカとまっすぐT君の部屋に入り、すぐに出て行った。
帰宅したT君が自分の部屋に入ると、部屋がめちゃくちゃに荒らされている。
怒り心頭のT君。すると電話が鳴り、T君が出た。
顔がみるみる紅潮し、はしゃいでいる。電話を切るとT君はこう言い残して家を出た。
「かあちゃん、俺な、すごい写真撮ったんだ。それ、雑誌が載せてくれるって。雑誌社の人が駅前の喫茶店で待ってるから写真持っていく」
それ以来T君は帰ってこないのである。
この話には、ちょっとした続きがあります。気になる方はぜひ本編を読んでみてください。
幽霊に怖い思いをさせられる、という普通の怪談と違い、MIBは人が行方不明になって帰ってこない、という現実的な怖さがあります。
T君は、誰にどこに連れて行かれて、どうなったんでしょうか?
「黒い男たち」の話はその三まであり、関わった全員がかなり怖い思いをしています。
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