小耳袋「怪談をすると寒くなるマンション」
怪談ライブで聞いた公に発表できない話、印象に残った話などを忘備録もかねて共有・紹介していこうと思います。
名付けて「小耳袋」。お楽しみいただけたら幸いです。
10年以上前に、新耳袋の著者の中山市朗氏のライブで聞いた話。
Wさんが学生の頃の話。
ある真夏の夜、Wさんのアパートに友達が集まった。
その場の流れで、誰かが百物語をしようと言い出した。
Wさんたちが怪談を語って盛り上がっていると、部屋のドアをノックされた。
「こんな真夜中に誰だろう?」とドアを開けると、廊下に管理人と何人かのアパートの住人が立っていた。
管理人と住人たちは真夏にも関わらず、パジャマの上に上着を着て寒そうにしている。
管理人はWさんを見るなり「怪談をしてるでしょ?やめてもらえませんか」と言った。
どうして怪談をしているのがわかったのだろう?
訳がわからず理由を聞くと、管理人はこう答えた。
このマンションの中で怪談を語ると、なぜかアパート全体が急激に冷え出す。
そして、怪談をしている部屋の外側の壁に黒い影がしがみつく。
管理人はその黒い影を見て、Wさんの部屋で怪談をしているのがわかったのだそうだ。
確かに、廊下が真冬のような寒さになっている。
しかし、怪談をしていたWさんの部屋はまったく寒くなく、誰も異変に気づかなかった。
今後絶対にアパート内で怪談をしないよう注意すると、管理人とアパートの住人たちは部屋に戻って行った。
外側の壁にしがみついていた黒い影は、Wさんたちが怪談をやめたと同時にかき消えたそうだ。
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