小耳袋「笑福亭純瓶 見えないお客さん」
怪談ライブで聞いた公に発表できない話、印象に残った話などを忘備録もかねて共有・紹介していこうと思います。
名付けて「小耳袋」。お楽しみいただけたら幸いです。
5年ほど前の中山市朗氏の怪談ライブ「ダークナイト」で、落語家の笑福亭純瓶氏が語った話。
あるとき、若手の落語家数人で寄席をする企画が立ち上がった。
笑福亭純瓶もそのメンバーの1人だった。
笑福亭純瓶は、師匠から30人以上のお客さんを集めるよう、きつく命じられた。
笑福亭純瓶は、少しでも寄席にたくさんのお客さんが来てくれるよう、寄席のチラシを会場付近の家にポスティングをすることにした。
その地域は小さい祠やお地蔵さんが多い地域で「たくさんお客さんが来ますように。寄席が成功しますように」と拝みながらチラシをポスティングした。
寄席当日、結局お客さん30人のノルマは達成できず、師匠からかなり怒られた。
寄席のあと、見に来てくれたお客さんたちと飲んでいると、顔なじみの女性に話しかけられた。
「純瓶さん、小さな祠とか拝んだでしょ。あんまり拝むとだめよ。見えないお客さんがいっぱい来てたから」と言われた。
「せっかく来てくれても、木戸銭(入場料)を払ってくれるお客さんじゃないと困りますね」と笑福亭純瓶は笑いながら話した。
笑福亭純瓶氏の怪談は、中山市朗氏の「怪談狩り 市朗百物語」で
第五十五話 二つの時計
第五十六話 二階席の観客
として採用されています。
プロの落語家だけあって、語りはすごくうまく「来てよかった」と思えるぐらい充実したライブでした。
また機会があればぜひダークナイトのゲストとして呼んでほしいです。
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