小耳袋「石灯籠の呪い」
怪談ライブで聞いた公に発表できない話、印象に残った話などを忘備録もかねて共有・紹介していこうと思います。
名付けて「小耳袋」。お楽しみいただけたら幸いです。
今回は怪談ライブではなく、京都を旅行したときに聞いた話です。
鞍馬寺方面に行ったとき「白龍園」という庭を見学させてもらいました。
そのときに庭の案内をしている人から聞いた話です。
「この庭の石灯籠は処分される予定のものを引き取りました。
石灯籠はたいていお寺やお屋敷にありますよね?
どこかで使われていた石灯籠が流れてくるということは、その寺や屋敷が没落して手放したということです。
だから、そのような石灯籠には念や悲しみが篭っていることが多いのです。
石灯籠を庭などに置くときはくれぐれも注意してください。」
↑実際に「白龍園」にあった石灯籠
普通の人が聞いたら「ふーん」で終わる話かもしれませんが、私はこの話を聞いてゾッとしました。
新耳袋と九十九怪談で、石灯籠にまつわる話があるからです。
せっかくなので紹介したいと思います。
新耳袋 第三夜 第四十一話「石灯籠」
新しい家を探していたKさんが、売り出し中の空き家を見つけた。
その家が気に入ったので道から眺めていると、新しい家に不釣り合いな苔むした石灯籠が庭にポツンと置いてある。
違和感があるのでじっと見ていると、近所の人に声を掛けられた。
そのときに聞いたという話。
もともとこのあたりには大きな池があって、その縁にこの石灯籠があったそうだ。
池が埋め立てられて住宅地になったとき、この石灯籠だけこのまま家の庭に残った。
ところが、この家を買った人は必ず数ヶ月でどこかで引っ越してしまう。
こんなことを言って出ていくという。
夜、家族が寝ていると、女のかぼそい泣き声が部屋中に響く。
これが夜中だけに聞こえる。
やがて、夜に庭に出たり、帰りの遅いときに石灯籠から泣き声が聞こえることに気づく。
住人は女の泣き声に悩まされ、恐怖を抱いて引っ越すのだという。
Kさんはこの話を聞いてこの家を買うのをやめた。
九十九怪談 第六夜 第三十八話「石橋」
石橋さんという人から聞いた話。
石橋さんは、相続の関係で先祖代々の家と土地を手放した。
庭には小さな池があり、名前の“石橋”にちなんで、ひいおじいさんの時代に石の橋をかけ、橋のそばに石灯籠まで立てていたそうだ。
この家と土地を手放して1ヶ月ほどたったある日、不動産屋から電話が入った。
十日ほど前、石灯籠に雷が落ちて橋に向かって倒れた。
さらに、組み直した石灯籠に、昨日また雷が落ちたのだという。
自分に何の関係があるのかといぶかしむ石橋さんに、不動産屋は、
「このまま家を取り壊すと何か事故でも起きないか心配なんです。
誠に申し訳ありませんが、お墓参りに行っていただけないでしょうか?」と言って引かない。
仕方なく石橋さんはお墓参りに行った。
お墓参りの帰り、石橋さんが自宅のマンションのそばまで来たとき、自宅のマンションの避雷針に雷が落ちるのを見た。
さすがに怖くなったので、またお墓まで引き返し頭を下げたのだという。
ものすごく怖い話ではありませんが、石灯籠に関する話は「白龍園」の案内人の解説と合わせると結構不気味に感じます。
広いお庭をお持ちで、年季のある石灯籠を置こうと思っている方、ご注意ください。
怪談の豆知識が増えましたが、今のところ私には全く関係のない話です(笑)。
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